それではテクニック編に入ります。基本ができるようになれば、計算を少しだけ早くすることができます。
裏技ではありません。しっかり基礎力を積んだ人が使いこなせる「テクニック」です。
【前提条件】
1. 割り算を分数で考えることができる
2. 数字をなるべく小さくしてから計算することに慣れている
3. とにかく九九を脊髄反射で思い浮かぶことができる
4. 計算・式をきれいに書くことができる
計算のテクニック!
A)その数じゃない!を見極める(間違いを減らす
例100÷0.8の答えが100以下になるはずがない。100×1.2の答えが100以下になるはずがない。
30×0.6で答えが30を超すことはない、30×0.5=15 なので、答えは15よりは大きい
というように、計算前に答えのあたりをつけておくと計算間違いが減ります。
B)割り切れる数
数字の末尾が偶数→2で割れる(例32)
数字の末尾が0か5→5で割れる(例55)
数字の末尾2桁が4で割れる→4で割れる(例156)
各桁の数を足して、その合計の数が3で割りきれる→3で割れる (例111)
C)小数⇔分数を覚える
小数と分数をうまく変換できると計算がはかどります。
下の分数⇔小数は必ず覚えておきましょう。
$$\frac{1}{5}=0.2、 \frac{1}{3}=0.333…、\frac{1}{4}=0.25、 \frac{1}{2}=0.5、 \frac{3}{4}=0.75$$
例)
$$\frac{1}{4}=0.25なので、a×0.25=a×\frac{1}{4}$$ →aを4で割ると答えが出る
0.5倍=2で割る
0.3倍≒3で割る
0.2倍=5で割る
→この場合、元の数字を2倍して小数点の場所を一つずらす技も使えます
D)かけ算の「0」の扱い
かけ算の時、0は後でつける
例)300×200
1) 0の数を数える→4つ
2) 3×2=6
3) 0が4つあるので、6の後につける→60000
0以外の計算をしたあとに0をあった分だけ後ろにつけるテクニックです。数値は読まなくて構いません。0の数をしっかり数え、間違えないようにします。
E)かけ算の際の小数点の移動
かけ算の時、片方の小数点以下の数の分だけ0を消す
例)2000×0.25→小数点を含む数字と10の倍数がある
2000×0.25=20×25=500
1) 小数点以下の数は2個
2) 小数点以下のの数分だけ0を消す(0.00…と100…は打ち消す)
F)約分しながら解く(かけ算・わり算バージョン)
5÷3×2÷4×6 のような計算は分数で解きます。÷の時は分母に、×の時は分子に書きます。
$$\frac{5×2×6}{3×4}$$
上記のような分数は約分しながら解きます。
G) 約分しながら解く(足し算・引き算バージョン)
足し算・引き算が含まれている分数の場合、足し算・引き算の部分はひとまとめと考えるため、一緒に約分をしなくてはいけません。
例)
考え方
上記の解き方でちょっと納得できない、という方は、下の形を考えてみましょう。
6a+9はひとまとまりになっており、その前に1/3がかかっていると考えます。
となると、分配法則で両方の数値に1/3がかけられるので、まとめて約分していかないといけないのです。
$$\frac{(5a+9b)}{3}$$
→これは5が3で割れないため、約分できません。このまま答えになります。